3年後、あの約束の続き
「あのさ・・・そう言えばだけど」
章が何かを思い出したように言う。

「背中の傷・・・整形手術とか、できないの?」

それについては、みんな一応調べてはいた。

「何かね、レーザーで薄くすることはできるんだ。でも、完全には消えないの。
薄くするのにも途方もない時間がいるんだってさ」

両親はもう少し年齢がいって落ち着いたら、薄くする手段を考えていたらしい。

「なんかねー、傷口薄くして手術跡ってことにして、お見合いさせて結婚させる計画だったらしい。
私は結婚する気無かったけど」

「・・・無いの?結婚する気」
また章の声のトーンが下がった。
それを見て、思わず吹き出してしまう。

「なんか翔太見てたらさ、子育てした気になっちゃって。だから別にいいかな、って。
瑠奈ちゃんのお母さんとか、お母さんより私の方が年齢近いし」

実際、瑠奈ちゃんのお母さんとは7歳ほどしか違わない。
なんと言うか・・・『ママ友』的な感じがしているのである。

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