3年後、あの約束の続き
「直営店候補のデベロッパーさん、お偉いさんもいる」
章がぼそっと呟いた。

営業部長の横には‐身なりのいいしっかりとした人と、若そうな人の2人がいる。


「渡辺さん、田野畑さん」
営業部長が私達に手を振り、私達に近づく。

「こちら、新都市鉄道地所開発の皆さん、よろしくね」
新都市鉄道地所とは、駅ビルなどの商業施設の開発をしている会社。最大手とも言ってもいい。

「よろしくお願いします」
名刺を取り出す素振りが見られたので、私も名刺を素早く取り出した。
私と田野畑さんは川崎さんという人と名刺交換する。
身なりのいいしっかりとした川崎さんは、広報課長の肩書きだった。


「瀬崎さん、この前はどうも」
川崎さんが、章に話しかける。

「お世話になっております。どうですか?このブースは」

「ああ、素敵ですね。シンプルだけど、美しい」


私は「光栄です」と言って頭を下げた。
< 177 / 289 >

この作品をシェア

pagetop