3年後、あの約束の続き
「てことは、その人のお父さんは社長さん?」
章が聞くと、「いや、議員さんらしいです」とのこと。

「私あんまり議員の息子に良い思い出ないからなあ・・・」
私はそう言って苦笑いするのが精一杯だ。


1階に到着し、駅に向かって歩く間も田野畑さんの話は続く。


「さすがに恋愛対象にはなれないことは言ってるんですよ。歳が上すぎるし。
それなのに積極的に食事とか誘ってくるんですよ。『俺も恋愛対象に見る気はないし、ただ友達が欲しいんだ』って。何かおかしくないですか?
まぁ金蔓にはさせてもらってますけど」

「う、うん・・・」

はっきり言っちゃうとこが田野畑さんらしい・・・。


「結局、田野畑さんはどうしたいんですか?」
若干引いてる章が聞いた。

「 やっぱり切るべきなんですかねぇ。金蔓逃すの惜しいですけど。ただの友達でいれている間に」
< 184 / 289 >

この作品をシェア

pagetop