3年後、あの約束の続き
「じゃあ帰ろっか、どうする?」

「あ、今日は会わせたい人が居るんだ。渋谷で下車して」

「・・・ガブリエフ?」
そう聞くと「もっとビックな人」らしい。


改札の手前まできて定期を取り出そうとしたら‐向こうの東口に田野畑さんが見えた。
確かに隣には、男性が居る。


でも・・・あれ?


‐そんなはずはない・・・はずだ。



2人は横を向いて、ロータリー方面に消えていった。



その横顔を見た時‐確信に変わる。


「嘘・・・嘘・・・・・・」


激しい雨の音に紛れてフラッシュバックする、あの人の顔、あの言葉。



『一生苦しんでね、エミ』







「ちょっと、えみ?!」
章の声が‐遠くに聞こえる。

どんどんと意識が遠くなり‐『あの日』の光景があらわれる。




間違えるはずなんてない。




紛れもなく『あの人』だ。




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