3年後、あの約束の続き
辺りを見回すと、私はどこかの部屋に居るということが理解できた。

どうやらベッドで寝ていたらしいが、そのベッドはかなり高級そうな雰囲気がある。


「あの、ここ、どこ?」

確か・・・駅で意識を失った気がするのだが。


「ああ、姉ちゃん家だよ。六本木」

「六本木ぃ!?」

「そ、職場に近いんだよ。あ、向こうから東京タワー見えるよ」

早苗お姉ちゃんの指差す方向に視線をやると、確かにパーティションの向こうの窓からは東京タワーが見える。

起き上がってパーティションの向こう側に行くと‐章の家の2倍ぐらいありそうなリビング、そして東京タワーを眺められるバルコニーもある。


「早苗お姉ちゃん・・・1人で住んでるの?」

「うんそうだよ」


さすが外資系証券会社。
きっと私の10倍ぐらいの家賃だろう・・・。


「でも半額は会社が持ってくれてるからさー」

とは言うものの、「それでも俺の倍は払っている」と後程こっそり章が呟いていた。
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