3年後、あの約束の続き
ふとキッチンを見ると、コーヒーメーカーが目に入る。実家と同じ形のものだ。
使われている形跡があるので、「コーヒー入れるね」とだけ言って、キッチンへと向かう。

正直キッチンは生活感があまりない。
コーヒーができる間に冷蔵庫を探ってみたら、案の定物はあまり入っていなかった。

コポコポと音を立ててコーヒーが入り始めると、食器棚からマグカップを2つ取り出す。
それはずっと昔‐私達家族とお揃いだったやつだ。
5つうちにあったマグカップ。ノルウェーに引っ越す時に、2人に渡した記憶がある。


マグカップにコーヒーを入れて、早苗お姉ちゃんのいるリビングに戻る。
何やら真剣にモニターを見ているが、私に気付いて視線を上げる。


「ごめん、ありがと」
早苗お姉ちゃんはコーヒーを受け取った。

「あんまり物ないでしょ?朝ぐらいしか食べないのよねー。そもそもあんまり家に居ないし」

「早苗お姉ちゃん、帰宅いつも何時なの?」

「んー、大体深夜1時ぐらい?日付が変わったら帰る準備する感じかなあ。
あんまりお金使わないからさー、家だけは贅沢しようと思ってここにしたんだよね」

それでも金のかける桁が違いすぎる、気がする。
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