3年後、あの約束の続き
いつもの時間に寝て、会社に間に合う時間に起きると、既に早苗お姉ちゃんは起きていた。


「あ、おはよー。そろそろ出るから適当に食べてね」
もう既に早苗お姉ちゃんは出勤する準備ができている。

「昨日は何時に帰ってきたの?」

「ん~深夜2時ぐらいだねぇ。平日はそこのソファーで寝てる」

恐らく3時間ぐらいしか寝てないのではないだろうか。
正直タフさに驚いている。


「じゃ、えみちゃんも気を付けて行ってきてね」

「うん、行ってらっしゃい」


そうして早苗お姉ちゃんは足早に出勤して行った。
私もコーヒーを入れて、出勤に向けての準備を始める。

シャワーを浴びる為に着替えを用意しようとクローゼットを開けると‐『えみちゃん専用』と書かれたボックスがあった。
中は早苗お姉ちゃんが用意してくれた服。

私はそのひとつを手に取る。
インド綿の、オフホワイトのワンピース。
裾には刺繍が入っている。


(着てみよう、かな?)


きっとあの人は、私はいつもスーツ姿だと思っている。

せっかくだし、ワンピースを着て会社に行ってみよう。
何だか少し、ワクワクする。
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