3年後、あの約束の続き
夕方の人の波が途切れた所で、遅番の2人と店舗のレイアウト変えに取りかかった。

まずは店の入り口のテーブルに置いてある小物を新商品に入れ替えて、敷いてある布をブルー系の布にした。
棚も夏に向けてキラキラしたホログラム系のものが目立つレイアウトに変えてみた。

家具はあまり動かせないけれど、付いているポップを新しく書き直すことにした。

ポップを手分けして書いていると、店長が私のを見て「やっぱり渡辺さん上手いねー」と褒めている。

「言葉のセレクトが上手いよ、さすが!」
そう言われるとやっぱり嬉しい。


ポップも全て書き終わって、あと何かできないだろうかと辺りを見回す。

店内の入り口付近からふとレジの方向に振り返ると‐カウンターが気になった。
真っ白い木目調のレジカウンター。
机を少しだけ動かしたので、入り口からすぐ目についてしまう。

「あ・・・」


ふと展示会のことを思い出した。


「店長、ここにホログラムシート貼りましょうか。展示会で使ったやつが残っているんで」


ここに貼れば、いいアクセントになりそうだ。

店長は少し考えて「あぁ、あれね」と言った。

「それはいいかもね。あるの?あれ」

「倉庫にあるはずです。取ってきますね」


確か使わなかったものが倉庫の備品置き場に置きっぱなしなはすだ。

あのカウンターに使えそうなサイズもいくつかあったような、そんなことを思い出しながら倉庫へ向かって早足で歩いていった。
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