3年後、あの約束の続き
長い廊下はパタ、パタと歩く音が響く。
ヒールの靴ではないけれど、この廊下は靴の音がよく響く。



長い廊下の終わりが見えてきた。
そこの角を曲がれば‐エレベーターホールはすぐそこだ。

相変わらず廊下はパタパタと音を立てている。


でも‐あれ?


違和感がして、1度立ち止まる。



すると‐遠くからパタ、パタという音が聞こえる。



‐まさか。


普通に考えれば、きっとテナントの人が帰るんだろう。



それでも、嫌な予感がする。



足音が聞こえなくなり、無音があたりを包む。

嫌な予感は抑えられず、私はゆっくりと足音がした方向へ振り返る。




(嘘・・・)




振り返った先、50メートル後方、ある男の人が立っていた。



ガリガリの体型。黒いTシャツ姿に黒い帽子。


『あの日』と同じ姿の、『あの人』




そして『あの日』と同じ‐手にはナイフ
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