３年後、あの約束の続き

数日外出をしていないだけで、随分季節が進んでいるように感じる。
梅雨の長雨は完全に過ぎ去ってしまったみたいで、晴れ渡った空から強い日差しが照りつけている。
季節は夏へと、確実に移り変わっているようだ。


強い日差しを浴びながら、ビルの入り口までたどり着いた。
私と章は少し緊張しながら、エレベーターに乗り会社のフロアへと足早に向かっていった。


フロアに足を踏み入れ、挨拶をしようとしたら‐「渡辺さん！！」と叫ぶ声。
田野畑さんが私に駆け寄り、大泣きしながら私に抱きついてきた。

「ごめんなさい゛い゛ー……ヒック…………変な男にひっか゛か゛って゛………」

しかしながら、全く持って田野畑さんに罪はないだろう。


「大丈夫だから、田野畑さんは悪くない、ね？」

むしろ完全に引っ掛かる寸前で回避できたのは、誉めるべき所だろう。


田野畑さんの肩をポンポン叩いて慰めてると、橋本が立ちあがり近寄ってきた。
そして、こうセリフを吐く。


「田野畑、お前クズ男ばっかり寄ってきてないか？」


田野畑さんははっと顔を上げて・・・「ひどい！！」と言って更に私に泣きついてきた。
確かに、最近彼女には男運がなさすぎる、ような。

「ぁー゛もうムカつくムカつく！！」と怒り声も上げながら号泣している田野畑さんは、やっぱり嫌いにはなれない。