3年後、あの約束の続き
再び沈黙する中、注文したコーヒーが運ばれてくる。
原田さんはミルクを少しだけ入れて、ぐるぐるかき混ぜ始めた。


「あのね、まなちゃん。私、みんなに黙っていたことがあるの」

相変わらずかき混ぜながら、視線も下のまま、原田さんは話を続ける。


「私ね、バツイチなの。今の旦那とは再婚」


思わずぶっと吹き出してしまう。


「さ・・・再婚!?」

「うんそう。前の旦那はみんな知ってる人…まぁいいかこれは」


みんな知っている人?
エリック?いやまさか。


その時、ふとした違和感が頭をよぎる。

いつかの飲み会で
「男共!!しっかりしろ!!」と胸ぐらを掴んで説教されている姿。
さっきのひきつったような笑顔で私達を送り出した姿。

まさか。

「清水部長・・・?」

「あ、わかっちゃったか。そうだよ」



思わず「えええぇぇ!!!」と叫んでしまう。
一瞬にして回りの視線が私に突き刺さるのがわかる。
慌てて手で口を塞いで、叫びたい声をぐっと押し込めた。
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