3年後、あの約束の続き
原田さんはようやく私を見て、クスクス笑いはじめた。
「もう20年以上前の話だよ。ほら、私達はド田舎出身だからさぁ」
そう言いながら、ゴクゴクっとコーヒーを飲んでいる。
半分ぐらい飲むと、グラスを置いて話を続けた。
「私が短大を卒業してすぐに結婚したのよ。半分以上、親が決めたみたいなもんでね。
ハタチすぎたら親が結婚相手決めてきて、結婚して子供を産む。それが当たり前の地域だったの。24過ぎたら行き遅れ」
原田さんはぼんやりと横の壁を見ている。
昔を思い出しているのか、表情は虚ろだ。
「別にカズさん‐部長ね には何も不満はなかったわよ。
まじめで優しいし、旦那さんとしては満点だった。好きだったしね。
でもね、私にはどうしても『海外で働きたい』っていう夢があったの。
ずっと昔からの夢」
はぁ、と1度ため息をつくと、また話を続ける。
「親には逆らえなかったのにね。日に日にその思いは大きくなっていって。
それでどんどん、夫婦仲がギクシャクしていったの。
結局2年持たなかったわよ」
もう1度、原田さんはため息をついた。
「もう20年以上前の話だよ。ほら、私達はド田舎出身だからさぁ」
そう言いながら、ゴクゴクっとコーヒーを飲んでいる。
半分ぐらい飲むと、グラスを置いて話を続けた。
「私が短大を卒業してすぐに結婚したのよ。半分以上、親が決めたみたいなもんでね。
ハタチすぎたら親が結婚相手決めてきて、結婚して子供を産む。それが当たり前の地域だったの。24過ぎたら行き遅れ」
原田さんはぼんやりと横の壁を見ている。
昔を思い出しているのか、表情は虚ろだ。
「別にカズさん‐部長ね には何も不満はなかったわよ。
まじめで優しいし、旦那さんとしては満点だった。好きだったしね。
でもね、私にはどうしても『海外で働きたい』っていう夢があったの。
ずっと昔からの夢」
はぁ、と1度ため息をつくと、また話を続ける。
「親には逆らえなかったのにね。日に日にその思いは大きくなっていって。
それでどんどん、夫婦仲がギクシャクしていったの。
結局2年持たなかったわよ」
もう1度、原田さんはため息をついた。