3年後、あの約束の続き
確かに!と言ってエリックは手を叩いて笑っている。

‐僕も何回君をノルウェーに連れていったことか!
僕は君たちのキューピッドだよ!

‐それは私をコキ使いまくった、の間違いじゃないでしょうか?

‐それは否定しないけれどね!HAHA!!

エリックめ、自覚はあったのか。
散々本社に同行させられ、ひたすらコキ使われ、しまいには本社でエリックの愛人説が流れていた、と聞いている。

‐さ、マナミ。そろそろ時間だろう。お別れだ。

ふと時計を見ると、もうすぐバスの時間になることに気付いた。
私は慌てて残りの荷物を片付けて、立ち上がった。


回りにはポルトガル支社の面々‐15人が集合した。
みんな3年間、頑張って一緒に働いてきた。


‐マナミ、今まで本当にありがとう!!

エリックの言葉を皮切りに、一斉に拍手が起こる。
特に仲の良かった子達は涙を浮かべている。

‐また会いに来てね!
‐日本で幸せにね!

次々と祝福と別れの言葉が飛び交う。
私は思わず涙が溢れた。

‐素敵な3年間でした!みんなありがとう!!

「Vamos encontrar novamente!」
また会いましょう!


そして私は会社を後にした。
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