3年後、あの約束の続き
次の日、ばあばが迎えにきた。

「今日から、ばあばがお母さんの変わりになるからね」
そう言って俺と姉ちゃんを抱きしめてくれたのを覚えている。


そして俺たち3人は『あの町』に戻って、ばあばと一緒に暮らし始めた。

だけどばあばと暮らしても‐「産まなきゃよかった」という言葉が、何度も何度も頭で再生される。
ずっと呪縛のように、俺にまとわりつく、
その度に泣く俺を、ばあばが毎回慰めてくれた。


「章ちゃん、あなたが産まれてきてばあばは嬉しい」
いつも頭を撫でながら、言ってくれたことを思い出す。

だけれど・・・ばあばがいくら言った所で、呪いのような言葉は解けなかった。

3歳ながら、自分は何だろうと毎日考えるようになって、部屋に引きこもるようになって行った。
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