3年後、あの約束の続き
‐アキラが女の子を連れてくるなんてびっくりだよ!

ガブリエウは英語でそう言ってニコニコしながら私を見ている。

‐この人はすごく軽い。プレイボーイなの?

意地悪にポルトガル語で質問をすると、ガブリエウは大爆笑した。

‐初めてだよ、君が。

章は不思議そうな感じで私達を見ていた。


「渡辺さん、ポルトガル語だと難なくコミュニケーション取れるんだね」

アテが外れたのだろうか。
少しがっかりしているようにも見える。

「そうでもないです。彼の発音が綺麗でゆっくりなので聞きやすいんです。気をつかってくれているんでしょう」

そして料理が運ばれてきて、3人で食べはじめる。

以外にもガブリエウはスムーズに箸を使う。
章が学生時代、よく教えていたらしい。

‐蕎麦は大好きだよ!アキラがよくインスタントのものを作ってくれたんだ。
だけど麺を『すする』ことは苦手だね。

ガブリエウはニコニコしながらそう言っている。


目の前にいる章は、流れるような感じで上品に蕎麦を食べている。
しなやかな、手の使い方。

あの頃と、何一つ変わっていない。

‐やっぱり胸がざわざわする
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