3年後、あの約束の続き
家までは電車で30分。
就職と同時に、1人暮らしをはじめた。
親からは1人暮らしする条件が1つだけあった。
それがオートロックのマンションに住むことだ。
何とか見合う家賃の物件を見つけた時は、心底ほっとしたのを覚えている。
ちなみに実家は郊外のベッドタウンにある。
家に帰ると、化粧も落とさずに布団に顔をうずめる。
‐遥か昔には、私の布団からは章の匂いがしたはずだった。
そもそも・・・私と章が一緒にいた証明さえ、私は何一つとして持っていない。
10年前、私はリセットされたのだ。
そう思いながら、生きてきたのだ。
明後日の月曜日には、章と一緒に働くことになる。
不確かな過去の証拠は、章が全て持っている。
‐どうか不確かなままで居させて欲しいのだ。
ただ目を閉じれば、昨日のように『あの町』の風景が浮かんでくる。
それが、不確かながらも・・・自分の中の、章と過ごした証拠なのかも知れないとも思っている。
就職と同時に、1人暮らしをはじめた。
親からは1人暮らしする条件が1つだけあった。
それがオートロックのマンションに住むことだ。
何とか見合う家賃の物件を見つけた時は、心底ほっとしたのを覚えている。
ちなみに実家は郊外のベッドタウンにある。
家に帰ると、化粧も落とさずに布団に顔をうずめる。
‐遥か昔には、私の布団からは章の匂いがしたはずだった。
そもそも・・・私と章が一緒にいた証明さえ、私は何一つとして持っていない。
10年前、私はリセットされたのだ。
そう思いながら、生きてきたのだ。
明後日の月曜日には、章と一緒に働くことになる。
不確かな過去の証拠は、章が全て持っている。
‐どうか不確かなままで居させて欲しいのだ。
ただ目を閉じれば、昨日のように『あの町』の風景が浮かんでくる。
それが、不確かながらも・・・自分の中の、章と過ごした証拠なのかも知れないとも思っている。