3年後、あの約束の続き
私もガブリエウも店を出る準備を始める。すると彼はポルトガル語で私に話しかける。

‐ところで・・・俺がコンサルティング業をしているのは、人を見分ける能力があるからなんだ。心理学や人相学には自信がある。

何言ってるんだと思いつつも、適当に相槌をうつ。


‐君は確かにブラポル語を喋る。でも喋り方に違和感があるね。

やっぱりそうきたか。
返しはわかっている。

‐ええ。どちらかと言うと・・・日本に帰国してからの方が真剣に勉強をしたわ。スペイン人からね。
ブラジルでの会話は大分忘れてしまったわ。たどたどしいでしょう?

ガブリエウはにこやかに笑う。
‐まぁ数年住んだ人レベルだと思うよ。日常会話は問題がない。リスニングも。

私もにこやかに返す。
‐それはあなたが綺麗な言葉を使っているからですよ。

章が戻ってきて、私達は店を出る。
エレベーターで1階に戻る最中も、ガブリエウは私にポルトガル語で話しかける。
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