3年後、あの約束の続き
しばらくすると不意にゴツン、と何かが頭に当たる。

「渡辺さん、ご飯ぐらいは食べなさい」
振り返ると章が居た。

そして私にコンビニの袋を差し出す。
どうしていいかわからず戸惑っていると、ドサッと袋を机に置いた。
そして章は袋の中からおにぎりを取り出して、包みを開ける。

「これ以上痩せてどうするんですか?」
そう言って、私におにぎりを差し出した。

「はい、あーん」

・・・さすがにそれはできない。
私は章からおにぎりを奪い取って食べ始める。

おにぎりの中身は鮭だ。
私の好物である。


「やっぱり日本はいいね。ごはんがおいしい。やっぱり米だよ米」
そう言って章もおにぎりを食べ始めた。

「でもサーモンはノルウェーのがいいかもね。ノルウェーのスモークサーモンはおいしい」

< 39 / 289 >

この作品をシェア

pagetop