3年後、あの約束の続き
昔そう言えば・・・
『ノルウェーのサーモンはおいしいけど・・・米が食べたい・・・』と嘆いていたような。


「はい、これも」
そう言ってつま楊枝に指した唐揚げを、私の口元に持ってくる。

(えっと・・・)

さすがに奪い取れないので、そのままがぶりと食べる。

「やっぱり日本食はいいね」
そう言って同じつま楊枝で章も食べる。


「瀬崎さん、女性の扱いに馴れてますね」
少し嫌みったらしく言ってみた。

「そうでもないよ。ガブリエウには負ける。ラテン系だからね。
わりとあの人、裏では彼女ほったらかして女の子と遊んでいたから」

・・・さすがラテン系。

「俺、どっちか言うと女の子苦手だったから。大学の時にようやく話せるようになったんだよ。良くも悪くもガブリエウ譲り」
少し苦笑いしながら言った。

章は私の知らない10年間で、色々変わてしまったんだろうか。

「でもまぁ、積極的に行くのは君だからかもね」
ふっと笑って言う。


‐やっぱり天然?確信犯?
気持ちがぐらぐら揺れ動く。
< 40 / 289 >

この作品をシェア

pagetop