3年後、あの約束の続き
「東京駅は特殊なんですよ。あれは歩かせすぎです」
そう言いながらICカードをタッチして改札を抜ける。

「でもみんな慣れてんだね。京葉線乗り換えに迷いがない」

「まぁ、ディズニーランドがありますからね。みんな1回は行ったことあるでしょう」
なるほど、と言いながらも章は納得しかねる顔をしている。

「渡辺さんはディズニーランド行ったことある?」

「ゴールデンウィーク行きますよ」

「誰と?!」

「家族と」

それを聞いた章の顔はびっくりしているようにも思える。
章は26歳の私と両親でディズニーに行く画を想像しているのだろう。シュールである。


「・・・へぇ、家族がディズニー好きなの?」

「ええ。年に1回ぐらいは行きますよ。家族孝行です」

章は相変わらず、納得しかねる顔をしている。
おそらく記憶の中の『幼なじみの家族』を思い出しているんだろう。
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