3年後、あの約束の続き
永田町で半蔵門線に乗り換えて、渋谷まで来た。
メトロの車内は・・・地獄だった。
なるべく章から余計な話題が出ないように、細心の注意を払いながら喋らなければいけなかったからだ。
正直、疲れる。


駅の改札から地上に出て、渋谷の混雑する交差点とは違う方向に進む。
騒がしいエリアとは逆方向に、什器やイベント道具のレンタル会社がある。


到着すると、素早くいつもの担当者‐山形さんという女性 に挨拶をして、ピックする物の確認作業に入る。

山形さんについて、所狭しと並んでいるリース品の間をぬって歩く。

「トルソーこちらでいいですか?」
そう言って、いくつかトルソーが並んであるエリアで立ち止まった。
私が指定したトルソーには養生テープとメモで印がつけてある。


「これでいいんじゃない?俺もこの中だったらこれだよ」
章も賛成だ。

「じゃ、これでお願いします。」

そう言うと素早く「かしこまりました」と言って、奥に持って行く。
梱包してくれているんだろう。

「では本日以上2点ですね。来月の打ち合わせもよろしくお願いします」
そう言って山形さんは頭を下げる。

来月の頭に、展示会の打ち合わせも予定しているのだ。
大きい什器等は、ここで借りることになるのが恒例。
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