3年後、あの約束の続き
ようやくタクシーが目的地に到着した。

うちの倉庫は、卸売り業者が集まるビルの9階にある。
会社のオフィスからは、徒歩15分程度。
そしてこのビルの3階が、アウトレット店である。

ひとまずトルソーとハンガーラックを降ろして、アウトレット店へと向かった。


「いらっしゃ・・・まなちゃんおかえり」
原田さんがレジに立ちながら、ギフトセットを作っていた。


「これどうします?倉庫持って行きます?」

「や、いいんじゃない?どうせこっちからも持ってってもらうんだし」

そう言うので、バックヤードにトルソーとハンガーラックを押し込んだ。


「橋本は?倉庫ですか?」

「ああ、うん。先出し分の梱包とか出荷指示やってるから」

「じゃ、行ってきます」

「俺どうしよっか・・・原田さん手伝った方がいいですよね?」
章が原田さんに聞いている。

「あ、じゃあ瀬崎さん手伝ってくれます?袋詰めするだけですけど」


「じゃあ私行ってきますね」
そう言って私はさっさと裏のエレベーターへと向かった。
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