3年後、あの約束の続き
そして何事もなく袋詰めも終了し、帰ることになった。

「じゃ、会社に戻ります。お疲れ様です」
章が私よりも前に、アウトレット店を出た。

「原田さん、私もそろそろ直帰しますね」
翻訳作業が前倒しで終わったので、特に急ぎの仕事は無くなった。
田野畑さんも帰ると連絡があっし、とうに定時は過ぎてるので帰ることになった。


原田さんはニヤニヤしながら、私に近寄る。
「ねぇ瀬崎さん、今まで恋人1人しか居なかったんだって!ずっとその子のこと、忘れられなかったらしいよ」

「そうなんですね」
そりゃあんな別れ方されたら忘れられないだろうな、と少し胸がチクりとする。


「で、『新しい恋愛する気はないの?』て言ったら『あるんですけどねー』って」

「・・・で、何が言いたいんです?」
早くこの場を去りたい。

「『まなちゃんはどう?』って聞いたら『素敵な女性だと思いますよ』だって」


「・・・で?」

「だから大丈夫だって!うまく行くって!!」

原田さんは、完全に私達をひっつける方針らしい。

「わかりましたから、帰りますね」
私は愛想笑いを浮かべて、その場を後にした。

「あなたには支えてもらえる人が必要よ」
原田さんは私の背中に、そう言葉を投げた。

‐それぐらい知っている。

だけど・・・どうしようも、無いのだ。
痛む胸を引きずって、私は家路についた。



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