3年後、あの約束の続き
私は畳み掛けるように
「いくら男の人を好きになっても・・・私は寝れないし触れ合えない。
子供の恋愛じゃないんだから、 好きな人と触れ合いたいのは自然に思うことだと思う。でも私は、それができないんだよ」

そう言うと、橋本は納得できないような、落胆したような表情を浮かべた。


しばらく沈黙が流れる。
橋本は、ありったけの考えを巡らしているようだ。

「今の医療が進歩した時代で、オマエは全部諦めるのか?」
呟くように、振り絞るように橋本が呟く。


諦めたくは、ないけれど。
「いいの。もう辛い思いはしたくない。それに・・・私のことずっと探してる人が居る。私もずっと待っている。でもその人は、きっと私を見つけられない」

「何言って…」

「だから・・・『ずっと探してる人が居る』と思いながら、私は過ごしていきたい。それだけの為に今まで生きてきた。これからも、そうして生きていきたいの」

ずっと『あの町』で過ごしたことを忘れない為‐章と過ごした時間を忘れない為に。


橋本が何かを言いかけるが

「もうこの話はおしまい。自販機で飲み物買ってくるから・・・戻ってきたら『無かったこと』にしましょう。
『ただの同期』に戻ろう」

そう言ってその場を後にした。
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