３年後、あの約束の続き
連休明けで『ゆっくりとしたい』という気持ちはあるが、着実に目の前の仕事が積み上がっているのが見える。
気分が萎えるのは仕方ないが、１つづつ片付けていく。
特に今週中に、展示会のことは決めてしまわなければならない。

パソコンとにらめっこしながら、企画を詰めていく。
明日、営業部とのミーティングがあるので、それまでにいくつか案を出しておきたい。


「渡辺さん、何これ？ホログラム？」
いきなりきた章の声に、ビクッとなる。
章は私のパソコンの画面を覗きこんで、少し考えている。

「あーはい。壁にアクリルの板で棚を作る予定で、何処かにホログラム入れようかと思ってるんです」

今年の秋から来年にかけて、ホログラムが流行るそうだ。
うちからもラメの小物をいくつか出す予定ではあるので、なるべく喧嘩しないホログラムと、喧嘩しない入れ方をしなければいけない。

「じゃ私、昼ついでに買い物行ってきます」
昼ついでに渋谷に行って、画材屋でいくつかサンプル的なものを購入しようと思っている。

「じゃ、俺も品川だから一緒に出るよ。昼飯ご一緒しましょうか」
さすがに断るのは不自然な感じだ。

一瞬考えたが、仕方なく「わかりました」と言って、バッグを持って立ち上がった。
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