3年後、あの約束の続き
やっぱり、章は来年には確実に居なくなるみたいだ。


「本社での仕事はやりがいがあるよ。君も来ればいい」
章がじっと目を見て言った。

「ご冗談はやめてください。私はただの平社員ですから」
そう言うと、章はははっと笑った。

「何か日本に居たい理由はある?」


そう言われて、一瞬考えた。

でも・・・
「大切な家族が居ます。それに天秤をかけてまで、選ばなければいけないものって何でしょう?」

私がそう言うと、はぁっと章は息を吐いた。

「俺はあまりそういう感覚は無いんだよね。家族は仲良いけどバラバラで暮らしてるのが普通だから」

そう言って、窓の外の遠くを見つめている。


章は自分の家族‐早苗お姉ちゃんとおじさん のことを思っているんだろうか。
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