【完】【短】初恋を教えてくれた顔も知らぬ君へ
7巻を返却しに行くと、久しぶりに金髪くんがいた。
「アサリ〜!」
この前の女の子もいる。
「アサリがマスクとかマジ何事よ」
「仕方ねぇだろ、花粉が酷いんだよ」
そっか、花粉症の人はマリさんだけじゃないんだった。
マリさんもこんな風なのかな…
「あ、返却っすよね」
「はい…お願いします」
何週間かぶりに聞いた彼の声は鼻声で、普段はどんな声だったっけ?ってわからなくなるほどだった。