【完】【短】初恋を教えてくれた顔も知らぬ君へ
「こんな俺じゃ、嫌ですか」
切れ長の目が、まっすぐ私を見つめていて…真剣な思いが伝わってくる。
「嫌じゃ…ないです。
ずっとマリさんはいい人だって思ってた、から…」
私がそう言うとマリくんはぱっと目を輝かせる。
その仕草が可愛く思えてしまった。
…ダメだ。心臓がうるさい。
こんなの、知らない。
「マリくんはこんな地味な私は…嫌じゃないんですか」
「嫌じゃないです。
梅さんが本当はすごく強くて優しいの知ってるから」
「…あの…」
面と向かってそう言われると、どうしてもいたたまれない。
恥ずかしいよ、ずっと私のこと知っていながら文通してたなんて…