【完】【短】初恋を教えてくれた顔も知らぬ君へ


私は1週間かけて1巻を読み終える。



久しぶりに読みごたえがあった。


気になる2巻…



面白かった、と本を閉じようとした時、最後のページにメモが挟まれているのに気付いた。





「なんだろう?」





そこにはとても綺麗な字で


『長い間借りたままで迷惑をかけてしまっていたらすみません』


その文と、1週間前の日付が書かれていた。




…なんて丁寧な人なんだろう。



正直とても待った。全然返されないし読めなかった。



でも、だからといってこんなメモを挟むなんて…



予想通り、読んでた人はきっといい人なんだろうなと感じてこのメモでさえ微笑ましく思う。




どうせ届かないけど…


そのメモの裏に返事を書いて挟み直した。


『ご丁寧にありがとうございます。
気になさらなくて大丈夫です。
待ってる間の期待も超えるくらいに最高の作品でしたね』



1度読んだ本をまた手にするなんて、実際ありえないよね…

< 9 / 35 >

この作品をシェア

pagetop