私とマロン
―――帰り道

「あの箱、まだあるかな・・・?」

タッタッタッタ・・・

『くぅ~ん・・・。』

あ、あの箱だ!

私は箱に近づいた。

『わんっ!わんっ!』

・・・!?

わんちゃん!?

「雨の中、なんでこんなとこにいるの!?」

ちっこいのに、一匹でこんな寒いとこ・・・。

可哀相・・・。

私は子犬を持ち上げ、話をかけた。

「あのね・・・紫音のおうち、マンションだからペットとか飼えないんだ・・・。わんちゃん、ごめんね・・・。」

そして子犬を、箱の中に入れ、

雨に濡れないところへ運んだ。

『わんっ!わんっ!』

「よしよし・・・こんな可愛いのに、どうして捨てるんだろ・・・。」

あ!待った!

紫音、食べ物と牛乳を持ってこようかなっ!?

この子、お腹空いてそうだし・・・。

「んね、わんちゃん!紫音、食べ物、持ってくるから、ここで待ってて!」

私は家へもうダッシュで向かった。

お母さん、いないし、ラッキー♪

「・・・わんちゃんが食べるものってなんだろっ?・・・紫音、分かんない・・・。そだっ!お母さんに聞けばいいんだ!」

私はお母さんに電話をした。

お母さん『もしもし?』

「あ、お母さん!紫音ね、聞きたいことがあるの!」

『何を聞きたいの?』

「幼稚園でね、明日、子犬についてお話するんだ!それでね、子犬が食べるものって何かなぁって思って。お母さん、なんだと思う?」

ばれないかな・・・?

『あら、そう?そうねぇ・・・。子犬は牛乳よ。おっきくなったら、ドッグフッドとか、ビスケットなどを食べるわ。』

ド・・・ッグ?フッド・・・?

「紫音、よくわかんないけど、お母さんありがと!お仕事頑張ってね!」

『ありがとう!じゃあね。』

プーップーップーッ・・・




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