散る桜
7
といっても、特に行き先があったわけでもない。
あの頃のわたしは祖母だけでなく、わたしに関わる全ての人間を、いないものとして振る舞っていたように思う。
周りの大人たちは、そんなわたしのことを、ただ黙って許してくれていた。
彼らも本当は、傷ついていたのかも知れない。
子供だったわたしは、自分のことだけに手一杯で、落ち着いて周りを見る余裕すら持てないでいた。
といっても、特に行き先があったわけでもない。
あの頃のわたしは祖母だけでなく、わたしに関わる全ての人間を、いないものとして振る舞っていたように思う。
周りの大人たちは、そんなわたしのことを、ただ黙って許してくれていた。
彼らも本当は、傷ついていたのかも知れない。
子供だったわたしは、自分のことだけに手一杯で、落ち着いて周りを見る余裕すら持てないでいた。