私からあなたへ
告白
社内での人気NO.1。
イケメン王子と呼び声高い営業部の出世株。
北野晴臣28歳。

顔良し、性格良し、仕事も出来て、スタイルも芸能人並。
女子社員の憧れの的。

そんな彼に片想いして4年。
眺めるだけの日々を過ごした、私。
月岡恵美25歳。

同じく営業部で営業事務をしている私は平凡を絵に書いたような、地味で大人しいタイプ。

高嶺の花の彼にアピールすることなんて出来るはずもなく、眺めるだけの日々を過ごしてきた。

でも、このままでは良くないと一念発起して、片想い5年目にもうすぐ入る、今年のバレンタイン。
潔く玉砕してこの片想いにケリをつけることにしました。

毎年すごい量のチョコを貰っているのを見てきたのでチョコは控えめな量で、添えるプレゼントを少し奮発した。
彼がよく使っているのを見たブランドのハンカチとネクタイ。
それに三つ入りのビターなトリュフチョコ。


定時時刻を過ぎた今、帰り支度も済ませた私はそのプレゼントの入った紙袋を握りしめ営業部の出入口そばにいる北野さんに向かって行った。

周りに先輩後輩女子社員が居ない今がチャンス。

「お疲れ様です!北野さんこれ、受け取ってください!」

そう押し付けるのがいっぱいいっぱいで、返事も聞かずに飛び出しかけた私は腕を掴まれた。

「月岡さん、ありがとうございます。これは、義理ではないですよね?」

そんな確認をしてくる彼は珍しく真剣な表情。
いつもは笑みを絶やさないくらい、柔らかく優しい人なのに。

「はい・・・」

俯きながら答えた私に

「御返事は今した方がいいですか?それともホワイトデーでもいいですか?」

まさかの一ヶ月持ち越し提案にびっくりして顔を上げると
、ふわりといつも以上に優しい笑みを浮かべた北野さんが居て

「すみません。僕が耐えられそうにないので、今伝えます。月岡恵美さん。僕は貴方が好きです。なのでこの本命チョコは嬉しくて、仕方ありません」

その返事とともに掴んでた腕を引き寄せられて抱きしめられた。

「ぜひ、僕の彼女になってください。結婚を前提としてお付き合いしてください」

そんな答えが返ってきて、まさに目が点。
私は玉砕予定だったはず・・・

「恵美、返事は?」
「よろしくおねがいます?」

こうして私の恋の話は始まるのです。

Fin
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