あなたを好きにならないための三箇条
「…おま、ほんとイケメンすぎ」

後ろに視線を戻せば私のカバンを持った彼が立っていた。
先ほどまでどこにいたのかその服はなぜか少しだけ乱れていて
息が切れている気がした


「…でしょ?」


彼の言葉と守れた事実が嬉しくてニヤリと頬が緩む

…少女を、守れた。




安堵の息をついて私を抱きしめる少女の肩をポンと叩き少し距離をとってその顔を目に写した

「…何かあったらオレを呼んで。絶対飛んでくるから」

そう言って渡した紙には私の電話番号が記されている



コクリと涙目で少女が頷くのを確認して
私は少女の手を引き交番に向かった。

これ以降は警察に任せたほうがいいと思ったのだ。


今の状態の彼女を1人にするわけにはいかないのはもちろん
彼女の家まで送ったところできっと親に隠して一人で抱え込んでしまう。


…早々に打ち明けて心を軽くするのが懸命なのだ


「…変な男にはついて言っちゃダメだよ?」


少女に念を押して警察に引き渡したオレは
少女に背を向けて彼を見上げた

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