あなたを好きにならないための三箇条
紗奈が私を抱きしめる手を緩め彼に向かう
まじまじと全身を見てもう一度問うた
「…男?」
値踏みをするような目つきで。
その眉間には深いシワが寄っている
…しまった。
後悔すでに遅く紗奈は彼を睨むと鋭い言葉を放った
「帰って!もう2度と瑠衣に近づかないでっ」
キョトンと目を見開いた彼が私を見る
…苦笑いを零すしか私に道は残っていなかった。
しかし、彼はなにかしらを悟ったのかペコリと紗奈に頭を下げる
「如月瑠衣の彼氏させてもらってます」
と。