あなたを好きにならないための三箇条
急な言葉だった。
と思う

事実彼女も目を丸くしているじゃないか


「…キミはもちろん俺に恋愛感情はないよね?」


確かめるように聞くと彼女は嬉しそうに首を縦に振った
「うん」
自分で聞いたことだしわかってはいたけどそんなにニコニコして言われると心にグサッと何かが刺さる心地がする


まぁ、そんなことはいい
話を戻そうとまた俺は口を開いた


「…だったらキミの恋愛に俺は邪魔なはず。付き合ってくれるってことは恋人とかはいないんだよね。
でもまあ、想いは自由だから誰かに恋したら言ってよ
“友達”になろう」


ニコリと笑みを作る
俺はきっとうまく笑えてる

人を騙すに最適の笑みを


「…そう、だね。今は違っても後々私が邪魔になるかもしれないし」


彼女は先ほどとは打って変わって苦笑いを浮かべた

彼女の感情を汲み取るより簡単なものはあるものか
と感心してしまう


「…それはわからないけど。でもどんなことにもルールは必要だよね
…そうだなぁ…」



俺は人差し指を立てて1を示した



「…ひとつめは…」



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