あなたを好きにならないための三箇条

〜〜
「…なんでいるの」



外はこの天気
なのに彼は傘を片手に待ち合わせ場所に立っていた

「…来ると思ったから」

柔らかく微笑んで
そこに立っていた。


「…来ないかもしれないのに」


ひどい雨が傘を濡らし
バラバラと大きな音を立てる

彼は私を見下ろして
太陽のように笑った


「…イケメンは 約束を守る、でしょ?」


…ダメ
ダメだ。

こんな、気持ちになっちゃ。


男なんて、自分勝手で
漫画みたいな優しいヒトなんて
いないって

私がイケメンになるって


決めたのに





「…ムカつく」







雨が私の呟きをかき消した
< 39 / 49 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop