あなたを好きにならないための三箇条
生まれて初めて
生きていることに謝罪するヒトがいることを知った
そのすぐあとに意識を取り戻した瑠衣は
俺に向かって困ったような驚いたような顔をして
無理矢理笑った
「…んで。」
なんでだよ
俺は瑠衣の過去を知らない
男嫌いになった理由なんて知らない
でも、こんなにも彼女は弱いのに
自然と強くなっていく拳。
自分がみっともなく思えた
イケメン、なんて言って
本当はこんなにも“女の子”なのに
その辺の女子より
きっとボロボロで弱くて
なのに強くあろうとする姿が
美しいと思った
キラキラして見えた。
…好きな人以来だった。
誰かを美しいと思ったのは。
格好いいと、思ったのは。