非常階段ゲーム
スタート
それから数時間。ようやくスタートの時がきた。
いや、"ようやく"という言葉ではないだろう。
『ゲーム開始まで10秒前…』
さっきの声ではない、コンピューター声がカウントし始めた。
『9…8…7…』
母さん、親父。
俺、ここで死ぬかもしれない。
『6…5…4…』
でも、俺頑張ってくるから。
『3…2…1…』
心配しないでくれ!
『ゲームスタート!!』
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
大きな声と共に、俺は固く閉ざした扉に勢いよく突っ込んだ。
バリバリッ!
見事に扉は破れた。
しかし、右腕にすり傷を作ってしまった。
俺は、血を舐めると、走り出した。