姉貴は俺のもの


階段の小さな踊り場でおじさんとおばさんが話していて、


その間に私は席を立って

モニターの前に行くと、久しぶり見る眼鏡姿の陸を確認した。



さっきは分からなかったが、陸の後ろには
一人だけじゃなく何人も人がいた。



もしかして……、あの人は怒って仲間を連れて来たんだろうかっ。


だとしたらおじさんとおばさんに多大なる迷惑をかけることになる


これ以上はっっ


「 迷惑なのよ! 」


「 おぃっ 」


耳をそば立ててたわけじゃない



だけどおばさんの怒った口調に、階段の方へ耳を傾けてしまった。


「 だって考えもみてよっ

やっとうちの子が高校で、一人暮らしに行って肩の荷が降りたのよ??


なんで隣の子の問題に首を突っ込まないといけないわけ? 」


「 そんな言い方は…… 」


「 あなたは子供を育ててないでしょ!

どうせ、親が残してくれた家で遺産使って
楽して暮らしてるから

おかしなことに巻き込まれてるのよっ。


私たちは関係ないじゃない 」



関係ないのは、もっともだ。


けど、決してお母さんたちの遺産を使って楽して生きていることは、ない。



働きにも行けず、学校にも行けないだけなんだ


私だって、昔みたいに学校に行きたい……



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