姉貴は俺のもの
陸side


溜まり場にあるベットの上に意識を失っている美奈を寝かせた。



あの日、誓ったのに……



また美奈を泣かせてしまった。




これでやっと……やっと美奈を助けることができるッ



「 陸さん、コンタクト持って来ました。 」


「 入れ 」



命令すると、静かに扉を開けて

仲間が俺のコンタクトを持って来た。



隣の家の人たちに美奈を渡してもらいたくて、好青年のフリで眼鏡をかけたが

案外すんなり渡してくれたもんだから


正直かけた事を後悔している



「 それ、バイク乗ってた時に一回落としてヒビ入ったから

修理に出しといてくれるか 」



「 はぃ_____


でも、陸さん。 捨てたらいいんじゃ 」


俺に逆らう仲間に、殺気を込めたて睨みつけた



「 いま、お前なんつった? 」


「 い、いぇっ! 何もないっす!! 」



失礼します! と、逃げるように眼鏡を持って走り去っていった仲間を

最後まで睨み続けた。



あの眼鏡は、弱かった自分と決別するためにゴミ箱に捨てていたのだが

美奈が拾って大切に保管してくれていたものなのだ。




「 美奈…… 」


うなされ、眠っている美奈の頭を優しく撫でた。



俺はこうして、
美奈が毎晩1人で苦しみながら眠っていることを前から知っていた。



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