姉貴は俺のもの


美奈のことがあって3日後、

父さんは会社をクビになった。



母さんはビックリしていたが、俺と父さんは理由が大体わかっていたので

さほど驚いてはいなかった。



「 陸、もし父さんに何かあったら美奈帆のことは

お前が守るんだぞ。 」


そう、父さんは震える手で言って

俺は迷いなく頷いたのだった。



………………父さんと話したのは、それが最後だとは知らず



美奈の事件をマスコミに持って行くと言っていた父さんは

殺された。



警察は動くはずもなく、


母さんは可笑しいと言い続けた。





父さんが死んで何ヶ月もたった頃


ふと、父さんの書斎から出て来た母さんは何かが吹っ切れたような顔で


出かけてくると言って車でどこかへと向かって行った。




俺は引きとめようとしたのだけれど、家の中で怯えている美奈を1人には出来ず、


ただ母さんを見送った。



3時間後、電柱にぶつかったとかで母さんが事故死したと連絡があった。



………………そこは、あいつらの家の近くだった。



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