姉貴は俺のもの
「 _______、陸? 」
「 あぁ、俺だよ 」
補助されながら起き上がり、辺りを見渡した
見知らぬコンクリートだらけの場所
この部屋にあるのは、私が寝かされていた
ふかふかのベットのみ
「 あっ 」
陸の顔を見て安心したのか、涙が頬を伝い
手の甲に落ちた。
ボソっ
「 妬くな…… 俺以外の男で泣くんじゃねぇよ 」
陸が何やらぶつぶつと怒りながら、私の涙を乱暴に拭う
「 俺が、美奈の苦しみを取り除いてやるからな
あいつの記憶を全部俺で塗り替えてやる 」
それって、まさか。
あの男に喧嘩を売る気じゃ……
陸、そんな相手じゃないッ
首をぶんぶん横に振って、陸の袖を引っ張った。
「 無茶だよ
相手が何者か分かってない____ 」
お父さんもお母さんも、今の陸と同じように
あいつらに挑んで死んでしまった。
わたしが止めらていたらって、何度も後悔したんだ……
「 美奈こそ、俺が誰だか分かってる?」
陸が誰かなんて、どうだっていい
私にはわかる
あいつに勝てるわけないんだ。
事実、家であの男に殴られてたんじゃないの?