姉貴は俺のもの
嫌、一人にしないで………
陸がいなくなると途端に不安になり、ベッドの端へと移動した。
「 あーあっ、お父さん面しなければ良かった 」
懐かしい声
だけど、言ってることが可笑しい。
「 お父っ、さん………… 」
姿形は見えないが、確かにベットそばには
お父さんがいるような気がした。
「 あのとき、一人であなたを育てようと思わなければ……
堕してたら良かったわっ。 」
お母さんもっ??
「 なんで、そんな事言うのッっ
謝るからやめて。 」
「 私たちに話したのは、なぜ?
相手が普通じゃないことは知ってたんでしょ 」
うん………
最初は全部分かってたから話さないつもりだったんだ。
だけど、家の中に入ると
家族がみんなで暖かく私のことを迎え入れてくれて、
何があったのか訊いてくれた。
その瞬間、話したらダメだと言い聞かしてた自分がいなくなって
話したい。 になってしまってたんだ……
「 死んだわけでもないのに、あなたのせいで
私たちは死ぬ羽目になった。 」
「 お前は、自分だけじゃなくて
家族全員の未来を潰したんだぞ 」
_____お父さんの言う通り。
私一人が我慢すれば、みんな幸せだった
お父さんもお母さんも生きてて、陸はちゃんとした高校に入って
大好きな勉強してたはずだった。