姉貴は俺のもの


嫌、一人にしないで………


陸がいなくなると途端に不安になり、ベッドの端へと移動した。



「 あーあっ、お父さん面しなければ良かった 」



懐かしい声


だけど、言ってることが可笑しい。



「 お父っ、さん………… 」


姿形は見えないが、確かにベットそばには
お父さんがいるような気がした。



「 あのとき、一人であなたを育てようと思わなければ……


堕してたら良かったわっ。 」



お母さんもっ??



「 なんで、そんな事言うのッっ


謝るからやめて。 」



「 私たちに話したのは、なぜ?

相手が普通じゃないことは知ってたんでしょ 」


うん………


最初は全部分かってたから話さないつもりだったんだ。



だけど、家の中に入ると


家族がみんなで暖かく私のことを迎え入れてくれて、

何があったのか訊いてくれた。



その瞬間、話したらダメだと言い聞かしてた自分がいなくなって


話したい。 になってしまってたんだ……


「 死んだわけでもないのに、あなたのせいで

私たちは死ぬ羽目になった。 」



「 お前は、自分だけじゃなくて

家族全員の未来を潰したんだぞ 」


_____お父さんの言う通り。



私一人が我慢すれば、みんな幸せだった



お父さんもお母さんも生きてて、陸はちゃんとした高校に入って

大好きな勉強してたはずだった。


< 26 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop