姉貴は俺のもの
逃亡
これが、7年前のこと………
バッン バッン
「 おい、美奈っ!!
帰ったぞ 」
私は自室で震えながらふわふわの毛布にくるまって、頷く
バッン
扉を蹴るような音
肩をビクッと震わせ、今度は消え入るような声で返事した。
「 最初から声出せよ 」
荒っぽい言い方をする陸は、もう昔のような可愛い面影はなく
ただ茶髪で背が高くてガタイのいい
怖い男の人へと変貌していた。
眼鏡だって、今はかけていない
喧嘩で邪魔だといって、ゴミ箱に捨てられていた…。
顔を上げて、机の上にある家族4人で撮った写真を見つめる
中学の時に撮った写真だ。
義理のお父さんを、ようやく父と認めることができて
家族4人で旅行に行ったときのもの____
お父さんは、義理なのに私のことを実の娘のように大切にしてくれた。
みんなが、私のことを大切にしてくれた………
だから、2人はもうッっ。