姉貴は俺のもの

触れてはいけない場所

美奈side


陸、どこ？


怖い人たちがいるのを避けて、閉じ込められた場所を出た。


街中をさまよい歩きながら、陸を探すけど
見当たらない



「 お姉ちゃん可愛いねぇ〜〜 」

「 ヒッ 」


暗闇から突然出てきた知らない男の人に背後から両肩を鷲掴みにされ、もたれかからされた。


目を伏せて、相手に顔を見せないようにする



「 なに なにっ この子泣いてるぅ〜 」


「 っッ______ 」




また知らない男の人が現れたかと思ったら、逃げられないように二の腕を強く握られた。




離してっ




怖くて、声が出ず


男の人の手を振り解こうとするが、いつの間にか大勢の人に囲まれていた。



「 陸ッっ 」


名前を呼びながら、泣いた目で辺りを見渡すが

陸は現れない。



「 ねぇ、1人？

だったら俺たちと楽しいことしようよぉ。 」


ドクッ


楽しいこと……… 嫌っ、したくない！



その場にしゃがみこんで、必死にかぶりを振った。


「 嫌がらないでよ〜

ねっ、一緒に行こ？ 」


強引に連れていかれ、バタバタと暴れていると

ふと視界の端にあの男がいた気がした。




「 ゃ"っ、嫌だ！！

やめでっっ！！！！ 」


何度も振り返りながら、あの男がじわじわと距離を縮めてくることに体を震わせた。



「 お願いだから離して！ 」


あの人から逃げないとッ___



あの男が街灯に照らされた。


不気味な笑みを浮かべ、小さく私を見て頷く



「 いやぁぁぁァァァッっーー！！！ 」



発狂しながら頭を抱え、

さっきまで私の腕を掴んでいた男は、一歩後ずさりして私から離れようとする


「 こいつっ、大丈夫なのか？


なんか変な薬でもやってんのかよ… おーい、大丈夫？ 」



「 ヒッ、ひぃっ！！！ 」


他の人が私に手を伸ばしてきたが、あの男と重なって見えた。



一瞬にして移動したあの男に、頭がついていかない