姉貴は俺のもの
倉庫に着くと、物珍しい物でも見るかのように
仲間たちは遠目で俺らをじっと見ていた。
「 表情が柔らかくなってるせいだろ 」
途中で合流した佐賀さんが、俺の変化を指摘してきた。
「 俺そんな顔してますか 」
片手で自分の顔を触り、首を傾げる
「 してる、してるっ。
なんなら良いことあったって丸わかりなほど 」
マジか そんな顔してたらなめられるじゃねぇか
わざと俺を見てる仲間たちにガンを飛ばすと、佐賀さんに小突かれた。
「 自分から印象を悪くする必要はない。
もともと陸が幹部として受け入らない者の中には、お前のその強気な顔が気に入らない
ってやつもいるんだぞ。」
「 そんなのっ 」
理不尽じゃないですかと言う前に、また佐賀さんに小突かれた。
「 いくら実力主義の世界とはいえ、
自分より年下のやつが上にいて、ツンケンされてみろ
陸だって気に入らねぇだろ? 」
「 えぇ、……まぁ。 」
「 ようするに、もう少し仲間を信用しろってことだ。 」
優しく笑い俺の頭を撫でながら話す佐賀さんに、首を縦に動かした。