姉貴は俺のもの


部屋の中に入ると、総長が難しい顔で携帯を見つめながら

待っていた。




「 総長、失礼しますっ 」


声をかけると総長は立ち上がり、俺の腕の中で眠る美奈を見て、微笑した。



「 また眠ってしまったのか

よく寝る女だなっ 」



「 ……俺が、気を失わせてしまったというか。


なんというか____ 」



言葉を濁すと、総長は布団を捲って

美奈を寝かすように促した。


「 ありがとうございます…… 」


頭を下げながら総長の前に行くと、美奈をベットに寝かした。


さっきより幾分か、顔色が良くなった気がする



「 ふっ、それで何でキスする事になったんだ 」


「 はッ?! 」


何でその事をっっ


間抜けな声を漏らした自分の口を手で塞ぎながら、目を剥く


「 陸_____ 」


総長は俺の手をじっと見つめる



「 っ。 」


ヤバイ


とっさに口を覆ってしまっていた手を下に下げた。



「 別に女々しいとか言うわけじゃねぇけどお前、

その女のことになると急に可愛げ溢れる男になるよな 」



………………言われてしまった。



唇をヒクヒクさせて、軽く貧血を起こしてる体を何とか真っ直ぐ立たせ続けた。



「 ま、人らしくいれるのはそいつのおかげだからこれ以上は黙っといてやるか。


……ただ、しっかり守って大事にするんだぞ 」



総長は警告している



今後俺が高槻に復讐をする時、美奈の存在がなければ

人としての歯止めが効かなくなってしまうかもしれないということを


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