姉貴は俺のもの
「 悠己から全部聞いてるのを前提で話すが
………俺はな、悠己の幼なじみが死ぬ現場に居たんだ。」
「 ど、ゆうことですか。
俺はてっきり組に所属してただけで、総長の幼なじみさんとのことは無関係だとばかり… 」
陸を避けるように顔を横に向けた。
「 しかも、悠己の幼なじみが死ぬのをただ見ていた。 」
「 えッ。 」
「 俺は組の奴らがまさか一般人まで巻き込むとは思ってなかったんだ。 」
悠己を初めて前にし、俺は罪悪感でいっぱいになった。
「 総長は……なんと。 」
「 悠己は、何もしなかった俺を責めた。 」
___このまま歩いて来たらヤバイかも。
危ない と思った時点で何かできたはずだろっ!
今さら謝るぐらいなら、そのとき行動してくれたら良かったんだ!!
俺の胸ぐらを鷲掴み、苦痛に顔を歪める悠己にそう怒鳴られた。
「 いいか、陸。
一度犯してしまった罪は、どんな理由があっても罪だ。
それはまともな言い訳をしたところで一生消えない 」
「 ……………かく言う俺は、まだ言い訳をしてるんだが。」
言いながら、眉をひそめる
「 え、じゃあ何ですか。
話逸れますけど、美奈をあんな風にした高槻を殺しても罪になるんですか 」
「 あぁ。 あいつが罪を罪と認めなくても
お前は誰もが殺して当然と言うことにまで罪と思ってしまう性格だからな。
恐らく最悪な事態が起こったとき、もっともな理由で殺したから仕方ないと自分に言い聞かせるが。
それでも、陸なら苦しむことになる_____ 」
向き直って、じっと陸の目を見る
___やり直したいのなら、自分のしたことに責任を持てよ!
悠己がしぶしぶチームに入れてくれた時にかけられた言葉だ。