姉貴は俺のもの
陸が荒れた理由は分からなくもない
私のせいで、両親を失ってしまったのだから………
「 み〜なっほちゃーーん。 」
ドクッ
全身から血の気が失せて、早まった心拍数が徐々に
聞こえなくなっていく
怖いっッ
助けて、陸……。
隣の部屋にいる陸に心の中から強く訴えかけるが、
あの男は家の主の許可なく二階へと上がってくる
「 り、くっ……… 」
ね、お願い。
やめてよ、止めてっ
小さくしていた身体をさらに小さくして、
ガタガタ震える自分の腕を必死にもう片方の手で掴んで抑えた。
あと少しで私の部屋の前まで来るという寸前の所で、
隣の部屋から陸が出て来る音がした。
助かった。
ホッと息を吐きながらも、2人の会話聞こうと耳を傾ける
「 美奈に会いたい?
困ります、高槻 ( たかつき)さんのせいで
あいつが普通じゃなくなったの知ってますよね 」
私は会いたくない
絶対、死んでも会いたくないっ。
ドカッ
「 う"っ 」
叶うことなどあったこともないのに、無駄に願ったせいで
陸の苦痛に満ちた声がして、涙が溢れる