姉貴は俺のもの


「 陸のさっきの質問に戻ろう


悠己が組みから出るのを手助けして俺をチームに入れてくれたのはな、

俺がやり直して罪を消せるようになる為なんだ。 」



「 佐賀さんは、総長に申し訳ないと思わないんですか?


だって、さっきの言い分じゃ佐賀さんは罪を認めてないっ。 」


悠己が時々するように、陸は恨みがましく俺を見た。


「 申し訳ないとは思ってる。


だがな、俺は罪を消したくないんだよ。


この重苦しいものを、一生背負って生きたい」


服の上から胸を掴み、深呼吸した。



ひどく……… 息をするのもやっとなほど重いこれは。


悠己が望むように、消すべきなのかもしれない



だけど俺はこれがあるからって、辛くて死ぬこともないし

むしろ罪を消した後の方が、やった事から逃れてしまった自分を許せなくなるだろう



「 さがっ、」



バッン



陸が俺に何か言おうとして口を開いた瞬間

倉庫内にけたたましい音が鳴り響いた。

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